曼荼羅の意味とヒーリング効果
ストレス社会に活きる曼荼羅セラピー
変化の激しい現在社会。
忙しく過ぎ去る日常の中で、本当の自分をどこかに置き去りにしているように感じることはありませんか?
今の自分と本当の自分とのズレが大きくなると、ストレスになります。軽い瞑想状態に導き、本当の自分を取り戻すツールとして曼荼羅によるセラピーを紹介しましょう。
曼荼羅(マンダラ)とは?
曼荼羅とは、サンスクリット語の「mandala:マンダラ」に漢字をあてた言葉です。
マンダは「本質」、ラは「得る・所有する」という意味なので、曼荼羅には「本質を得る」という意味があります。
日本では、曼荼羅というと下図のような仏教の世界観を表現した装飾画をイメージすることが多いですね。
しかし世界的にはもっと広い意味をもっており、円・渦・正方形などの複数のシンボルが一定の秩序で組み合わされ、全体として何らかの世界観を表現しているものを曼荼羅と呼びます。
宗教的な世界観を表したり、宇宙の法則(森羅万象)を表したり、人の生死や輪廻転生を表す曼荼羅もあります。
曼荼羅は世界各地の異なる文化の中で発展してきました。豊かな色彩と複数のシンボルでリズミカルに描かれる曼荼羅は、多次元的な世界観を二次元的(平面)に表現されたアートです。
曼荼羅のヒーリング効果
セラピーやヒーリングの世界では、神聖な空間を生み出し意識を瞑想状態に導くためのツールとして曼荼羅を活用してきました。
曼荼羅を見たり自ら描くことで心身を研ぎ澄まし、宇宙とつながったり、心の底に眠る内なる声に耳を傾けることができます。
心理学の世界では、曼荼羅というとユングのマンダラが有名です。ユングは人の心の変容過程で現れる魂の元型表現を「マンダラ」と名付け注目していました。
心理療法の過程で、夢や絵画表現の中に曼荼羅が登場することがあります。円や正方形による曼荼羅表現だけでなく、4や9といった数字も、曼荼羅を表すシンボルとして読み取ることができます。
特に心の変容の重要な段階で曼荼羅が登場することが多いため、絵画療法や箱庭療法などのアートセラピーでは、曼荼羅が表現されたときは何かのサインとして注目されます。
曼荼羅ぬりえと点描曼荼羅
このように曼荼羅は、瞑想に導き心の声を聴くツールとして宗教やセラピー、ヒーリングの現場に取り入れられてきました。しかし、本格的な曼荼羅を描くのは少し難しいですよね。
そこで誰でも気軽に曼荼羅を味わう方法として、曼荼羅ぬりえや点描曼荼羅などの技法が開発されました。
曼荼羅ぬりえは、世界各地の曼荼羅をモチーフにした大人用のぬりえです。色えんぴつで簡単に描けるところが人気で、書店には多くの関連書籍が並んでいます。
点描曼荼羅は、黒い画用紙にカラーペンで点を打つように描く曼荼羅です。トントントンとリズミカルに描く行為は、心が無になり、軽い瞑想状態を感じることができます。
他にもパステルで描くカラフルで綺麗な曼荼羅も人気です。点描曼荼羅やパステル曼荼羅は各地でワークショップが開催されているので参加してみてはいかがでしょうか。
本当の自分を迎えに行こう
曼荼羅はスピリチュアルな世界では、宇宙やハイヤーセルフ(高次の自己)とつながるツールとして紹介されます。
しかし、ここではそんなに難しくは考えずに、軽い瞑想状態を感じる中で、自分の内面に気づき、心のバランスを整えるツールとして曼荼羅を活用してほしいと考えています。
意識と無意識、体と心、そして魂。あらゆる側面が一体化し、統合された本当の自分を迎えに行きましょう。